夢に出てくる自宅は必ず、幼少時代住んでいた古い一軒家。
寝床から天井を見上げると、屋根の隙間から外の光も差し込む自宅でした。
もう四半世紀前の光景・・・今でも哀愁と共に鮮明に浮かんできます。
あの人も、幼少時代に過ごした家が夢に出てくるのでしょうか・・・。
今話題の「もみじ通り」。
シャッター街と化した昭和の香りする商店街に次々とお店がオープンし、土日には通りを歩く若い人達を多く見かけるようになりました。
その「もみじ通り」から東京街道を越えて宇都宮市役所に繋がる「あずき坂」にも魅力的なお店が増えました。

あずき坂の路地奥にある築80年の古民家が、ギャラリーとしてオープンしたと聞いたのは今年の二月。
やっとお邪魔する機会が。
お店の名前は「ギャラリー 絆和(HANNA・ハンナ)」さん。
県内の作家さんの作品を紹介する催事を月一回のペースで行われています。
お休みの期間は次の催事に向けての準備期間として閉廊されます。
公式ホームページで開催期間をチェックするか、路地に繋がる入口に告知看板が掲げてあれば開廊のサイン。
2012年9月1日~16日までは日光市に窯を持つ陶芸家・橋本誠さんの「やきもの展」を開催中。

さて、路地奥に進んでいきましょう。
おっ!!と目を惹く素敵な建物が目に飛び込んできました。
どっしりとした門構え。暖簾をくぐるのにも背筋が伸びます。

純粋な和の木造住宅かと思いきや、玄関横には洋館の趣。和と洋のコラボ。
昭和初期に建てられた当時から、洒落た造りと評判になったのでは。
昭和20年の宇都宮空襲で、市街地は焼け野原となった宇都宮。
近くの松が峰教会や大銀杏も焼けたとのことですので、よくぞ現存してくれました。

玄関の引き戸を開け中に入ってみましょう。
「ごめん下さい」。

「どうぞゆっくりご覧下さいませ」と柔らかい笑顔のオーナーさん。
ギャラリーというと敷居が高いというイメージでしたが、一気に肩の力が抜けてきました。
ひとつひとつの陶器をみると、表情の豊かさに驚かされます。
味わい深い作品達が、この築80年の古民家に良く合います。まるで命が宿っているよう~。

縁側から外を見ると、大きな石を組み重ねた枯山水のお庭が。
建築で使われている材料も素晴らしく、手間暇かけて丁寧に作られたのが伺えます。
そしてその状態をしっかりと維持されてきた住人の方々。ありがたいことです。

外から見えた洋館部分は玄関脇にありました。
小さいながらも天井が高く落ち着ける空間。ここで家主は本など読んで過ごされたのでしょうか。

「二階もあるんですよ。ご覧になりますか?」と。
玄関から階段が直接目に触れないよう、引き戸で目隠しされた階段。
急勾配の階段は、昔の我が家を思い出させてくれました。

二階は和室の二間続き。
こちらではフラワーアレンジメントなどの教室を行っているのだそうです。
フッと窓の外を眺めると、ちょうど目線に電車が飛び込んできました。
高架になっている東武宇都宮線。二階からだとピッタリ目線に入ってきます。
通常では見られない不思議な光景。
こんな風景を毎日見ながら幼少時代を過ごしたら、色んな夢が描けるかも。

実はこのお宅、あの宮崎駿さんが幼少時代過ごしていた
自宅。
ギャラリーとしてオープンする前は個人の住まいとして使われていたので、公開されていませんでした。
マスコミなどにも広く取り上げられ、少々戸惑ったというオーナー。
でもそれをきっかけに足を運んで貰い、栃木県内の作家さんの作品を知って貰えれば嬉しいと。
宮崎駿さんが描く夢と冒険に溢れた世界が小さなお子さんや親世代に届いたように、
県内の素晴らしい作家さんと私達の橋渡しをしていって下さいね。
応援しています。
○「ギャラリー 絆和(HANNA・ハンナ)」住所:宇都宮市松が峰2-7-17
電話番号:028-638-6123
開廊時間:11時~18時(催事期間のみ)
公式HP
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コメント
Gallery HANNA
連絡をもらいました。
本当にふら~っっとという感じでしたね。
飲食店のみのご紹介と思っていたので、こちらのブログに話題にしていただき恐縮です。
ありがとうございます。
はい、大切に住まわせていただきます。 一日の大半を過ごす家は、本当に大切です。
良い家は、こうして後々まで大切に住まわれていくのだな・・と感じる家です。
ありがとうございました。
2012/09/06 URL 編集
よっしー
一見さんお断り的な雰囲気をちょっと感じたので…気軽に入れないのかと(++;
今度ぜひ行ってみたいです!
ここのすぐ側の「和食 まんまる」も実は気になってますが、行ったことありません。
何事にもトライが大切ですね☆
2012/09/06 URL 編集
pool
先日はふらりと立ち寄らせて頂き、ありがとうございました。
またお邪魔させていただきます。
2012/09/07 URL 編集
pool
> 一見さんお断り的な雰囲気をちょっと感じたので…気軽に入れないのかと(++;
> 今度ぜひ行ってみたいです!
路地裏にある老舗の天麩羅屋さん・・・という雰囲気がありますからね。
どうぞお気軽にお立ち寄りください。
> ここのすぐ側の「和食 まんまる」も実は気になってますが、行ったことありません。
> 何事にもトライが大切ですね☆
おっ!目の付け所が素晴らしい~。^^
2012/09/07 URL 編集