巨匠・片岡護シェフ率いる西麻布のイタリアン「アルポルト」で技を磨いてきた料理人が、まもなく宇都宮で開業するようだ・・・、という話題を以前から耳にしていました。
今か今かと思いながら待つことしばし。
ついに2020年6月5日、表参道スクエアの赤門通り沿い1Fにオープン。
お店の名前は「Gustare 佳乃や(グスターレ かのや)」。
昨年末惜しまれながらお店を閉めた、老舗蕎麦店「
あら玉」さんがあった店舗。
イタリアンに全面改装されたようですが、外観などはあえて和テーストを残し活かしています。

シェフの実家は益子町で「
うつわのみせ佳乃や」という益子焼のギャラリーなどを営んでおり、益子焼とイタリアンの融合を図った料理を提供するとのこと。
先日「日本遺産」に認定された「益子焼」。
まさに日本とイタリアの融合。
イタリア料理を再構築し、確固としたジャンルとして日本に浸透させた片岡護シェフの想いに通じているように感じました。

カウンター四席と、テーブル席十六席。
現在はゆっくり間隔を空けての営業。
完全予約制。ひとり6000円(税別)のコース料理のみ。
調理からサービスまで、シェフひとりでこなしていました。
事前準備は完璧。お客さんが席に着いてから、料理を確実に組み立てていく。
厨房が垣間見れ、無駄がない動きに魅入っていました。
シェフは笑顔爽やかな好青年。お話しも上手で、すでに常連さんが付いている様子。
すぐに人気のお店になりそうです。
では料理をご紹介していきましょう~。
本日の前菜盛り合わせ
最初は益子焼ではなく、漆塗りの平皿での提供。
リラックスした気分で、手やお箸で頂きました。

「あおいか、からすみ、大葉」

「大分県産、活〆ヒラメのカルパッチョ」

「鶏の白レバーのムース、白トリュフ風味」

「岩海苔のゼッポリーネ」

見た目もメニューも奇をてらわず、オーソドックスな物ばかり・・・。
でも、食べてみてビックリ。
想像を超える味わいの連続でした。
一手間も二手間も掛けられた粋な料理。
普段口にしているものだけに、違いがわかりました。
一緒に頂いたのは、「サン・マルツァーノ エッダ 2018」
華やかでしっかり。
ふくよかな甘みとキリッとした酸味のバランスが良いイタリアワイン。

「冷製、ガスパチョスープ 七尾の甘海老と」
様々な野菜がペースト状に。
甘海老はオレンジのエキスでマリネされ、甘海老とオレンジの競演は初めての経験。
オレンジの酸味が爽快さを演出してくれました。
宇都宮市、赤門通り出身の陶芸家「石川 雅一(はじめ)」さんが、お店のために焼いてくれたシンプルな益子焼のお皿。
料理を引き立てる器も必見です。

「甘鯛のうろこ焼き カポナータ添え」
パリ、ふわ~のうろこ焼き。お見事!!
この日は輪島の甘鯛が使われていました。
お皿は、レストラン向け益子焼の新ブランド、「GENDO(げんど=原土)」のもの。(
下野新聞記事参照ください)
初めてお目にかかりましたが、シンプルで美しい器です。

家ごとに特有の味があるというカポナータ。
タマネギの甘さが活きていています。

「冷製、生雲丹とグリル茄子のカッペリーニ」
この色合い・・・そう、こちらが
陶芸家「松崎建」さんのお皿。
夏にピッタリ!!
重い生雲丹を軽快にサッパリと。

「フルーツトマト、バジル、リコッタチーズのパスタ」
生き生きとした夏の太陽を思わせてくれるパスタ。
二種類のパスタがいただけ大満足。

ボトルで頼んだ白ワインを綺麗に飲み干してしまったので・・・。
イタリアの「Brolio Chianti Classico」をグラス900円で。
このあとちょうどお肉、ベストタイミング!!

「仔羊のロースト」
シェフの同級生、陶芸家「宮澤 有斗」さんのお皿で頂きます。
サクッと歯切れがイイ仔羊。
ヤングコーンの髭も美味しく、幸せ気分を味わえました。

「アメリカンチェリーとヨーグルトのムース」
こちらもレストラン向けの益子焼「GENDO」のお皿。
「メレンゲとアイスが面白い」とメモ帳には書いてありました。
(どう面白かったのか・・・、イイ感じに酔っていて詳細は不明)

私のお隣にいらしたお客様は、会計時に翌月の予約を入れて帰られた様子。
すっかりお店のファンになられたみたいです。
実は私も、七月に再訪させていただくことになっています。
次はどんな料理が味わえるか、今から楽しみです。
○「Gustare 佳乃や(グスターレ かのや)」住所:宇都宮市馬場通り4-1-1 表参道スクエア1F
電話番号:028-688-8716
定休日:不定休
営業時間:17時~22時(L.O)、完全予約制(前日までに御予約を)
公式HP、
公式インスタグラム、
食べログHP
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