「あんこを食べた記憶が無い」
この日ご一緒した若い男性のひとこと。隣の男性もこの発言に深くうなずく。
ちょっと前までは日常的に溢れていた「あんこ」。
旅のお土産と言えば「温泉饅頭」、パンと言えば「あんパン」か「クリームパン」、中華まんは「あんまん」か「肉まん」の二者選択。
「井村屋のゆであずき」の缶詰が、我が家に常備されていた物です。
私も久しぶりに食べるあんこの優しい甘さに、心癒されました。
ここは東武宇都宮線・南宇都宮駅近く。
建ち並ぶ大谷石蔵を改装し、日本料理を提供している「和食 了寛」。

この日も大人気で、多くの女性客で賑わっていました。
今回使わせて貰ったのは、二階の個室。
天井が高い蔵の屋根裏部分を上手に活かしたスペースです。

お昼は二千円、三千円、五千円(すべて税別)の三種類。
今回は三千円のお料理をお願いしました。
次々出てくる上質な料理。
ゆっくり味わいながら、素敵な時間を過ごさせて貰いました。

先付
「巨峰とバナナの白和え」
柿の白和えは食べたことがありますが、巨峰とバナナと白和えの組合せ。
これが予想を超える美味しさ!!他の秋の果実を白和えして食べてみたい。

前菜
「春菊とえのきのお浸し」「茸の薩摩揚げ」「薩摩芋のすり流し」「栗渋皮煮」
目でも楽しませてくれる一皿。
柿の葉が秋の深まりを教えてくれました。

「葉を取り除く」という一手間をかけることにより、料理への集中力が高まります。
日々忙しなく過ごしていると、食事をないがしろにしがち。
ゆっくり味わいながら料理を楽しむ・・・・。大切なひとときです。

造り
「五島列島のすじあら」「気仙沼の鰹」「出汁漬けの筋子」
うっとりする美味しさ。
熱々のご飯に「出汁漬け筋子」を乗せたら、止まらないんだろうな~。

煮物
「里芋 大根 舞茸 菊花餡」
久しぶりに温かい煮物。秋が来たのを実感。

焼物
「鰆の幽庵焼 長芋のおかき揚げ」
なぜ「幽庵焼」というのか尋ねてみると、「江戸時代の茶人、北村祐庵が創案した」っという説をはじめ、諸説あるとのこと。
名前とレシピが幾多の料理人を経て、後生に伝わっていく。そう考えると、料理も奥深い。

飯物
「生湯葉の餡かけご飯」「お新香」「赤だし」
とろとろの生湯葉とご飯の相性抜群。
お茶漬けを頂くように、サラサラとご飯がすすみます。

甘味
「自家製あんみつ」
ここで冒頭の「あんこ」談義になりました。
梨や柿、秋の果物も添えられ、美味しく頂きました。

「ブレンド珈琲」を頂き、ご馳走様でした。

優雅な時間は終わり、階段を降り現実世界へ・・・。
もう少し小屋裏で、寛ぎたかったな。
○「和食 了寛」住所:宇都宮市吉野町1-7-10
電話番号:028-611-1711
定休日:月曜日、第一・三日曜日
営業時間:11時30分~15時(最終入店13時30分)、18時~22時(最終入店20時)
未就学児同伴でのご来店は、ご遠慮頂いています。(貸切時は除く)
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