那須塩原のフレンチ「
ラトリエ・ムッシュー」。
飾り皿に書き込まれていた「美味礼賛」という言葉を見て、一冊の本、そして人物が頭に浮かびました。
通常はブリア・サバランが書いた名著が浮かぶのでしょうが、私は海老沢泰久氏が書いた本。
辻調理専門学校の辻静雄さんの半生を描いたもの。
そしてこの本はくださったのは、「らあめん厨房 どる屋」のご主人。
久しぶりにお顔を拝見したいと思い、宇都宮市役所正門そばにあるお店に寄らせて貰いました。

昨年仕事を続けながら、辻調理専門学校の「西洋料理技術講座」を修了したご主人。
料理に関する雑誌を複数熟読し、気になる食材や料理の研究を絶えずされている方。

珍しくお客さんが切れた瞬間を使い、濃度が濃い楽しいお話を聞かせて頂きました。

通常は大好評の「鯛だしらーめん」。
季節により、栃木県産鮎、頂鱒、藻屑蟹、八汐鱒などのどる屋でしか食べられないらーめんを限定で出しているんです。

この日は昼夜各15食限定で「黄金の大和しじみらーめん」の提供日。
またとない機会ですので、迷わず注文を。

青森県の宝沼と呼ばれる小川原湖。
海水と淡水の混じる汽水湖でミネラル豊富。
そこで採れる大和しじみの実物を見ると、一般的なものと大きさ自体全く違う。

これは楽しみだ!!と思っていると、「黄金の大和蜆らーめん」1000円が目の前に。
キラキラと黄金色に輝いている。
那須の白美人ねぎ、もっちりと旨いあるあさの豚のほほ肉焼豚、ロース、ばら焼豚が美しく器を飾る。

スルリと麺を。
味わいが柔らかく、尖がった部分がない。まろやかなスープが麺に絡みます。

「黄金の大和蜆らーめん」限定のスパイスが用意されていました。
カンボジア産「完熟胡椒」。一房に1.2粒しか出来ない完熟した実だけ集めた最高級品の胡椒。
ひと掛けしたスープをひと飲み。華やかな胡椒の香りが口の中で広がり、実に美味しい。
素直でイイ子なんですが見た目が地味な女の子。
彼女が艶やかなドレスを纏って都会のレディーになったような印象。

美味しくてスープを飲みだしたら止まらない。

最後までついつい飲み切ってしまいました。
普通ラーメンを汁まで飲み干すと体が重く感じるものですが、逆に体軽やか~。
これがしじみパワー!?不思議な体験でした。

2017年11月11日~13日の三日間は、幻のらーめんが登場します。
それは魚偏に鬼と書いて、「イトウ」。
幻の魚と言われ、私も名前だけは聞いたことがある魚です。もちろん食べたことは皆無。
絶滅危惧種に指定され、一部の自治体では資源保護を兼ね養殖事業をしているようです。
でも数が少なく、北海道や青森の地元でしか流通することがないそうです。
今回使用する「イトウ」は、なんと栃木県日光市足尾町にある「神山水産」で養殖されているもの。
地産地消で幻の魚を頂けるまたとない機会。今から楽しみです。
○「らあめん厨房 どる屋」住所:宇都宮市中央2-8-6
電話番号:028-649-5917
定休日:木曜日の夜と金曜日の夜の部はお休み
営業時間:11時30分~13時50分(L.O)(土日祝は14時20分まで)、17時30分~19時50分(L.O)
公式HP、
公式ブログ、
栃ナビHP
(追伸)2017/11/1111月11日~13日の三日間限定、「幻のイトウラーメン」。
この年になると、「人生初」という出来事が少なくなってしまいますが・・・。
正真正銘、人生初。
イトウを食す記念日にしようと、「らあめん厨房どる屋」に向かいました。
予想通り、オープン前ですが長い行列が出来ている。
ほとんどの新聞で「イトウらーめん」を記事として、大きく取り上げていました。
関心の高さを目の当たりにさせて貰いました。

一巡目では入れませんでしたが、どうにか食べられそう。
まずは魚偏に鬼と書く「イトウ」のご尊顔を拝ませて貰おう~。
置いてあったのは全長70cm、重さ3kg。

鋭い歯を持っているらしいですが、表面からはわかりませんでした。
表情がキリッと引き締まり、どこか悪そうな顔立ち。喧嘩が強そう・・。

「幻のイトウらーめん」1100円(税込)
具材は後乗せ。まずは純粋にイトウのスープから。

淡水魚を焼いた香ばしいにおいが食欲を誘います。
熱い時にはかおりが優先してしまいますが、少し冷めてくるとイトウの姿が見えてきます。
姿は暴れん坊そうですが、味は実に穏か。鱒や鮎よりクセがなく、ふくよかな甘みを感じます。
適度なコクが満足感を与えてくれました。

別添えの具材の中には、なんとイトウのお刺身が。

身が柔らかく口の中でとろけます。
外観は「魚偏に鬼」ですが、刺身にしたら「魚偏に天使」と表現したい・・・旨みが軽やかに舞います。
是非、ご自分の舌で味わって見てください。
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