国指定重要文化財の「野木町煉瓦窯」。
明治21年(1888年)、北関東最古のレンガ工場として設立。
明治23年(1890年)に完成した東窯が現存、2016年5月10日から一般公開が始まりました。
二か月足らずの7月30日には、見学者が一万人を突破。
多くの人で混み合っていたようですが、今はゆっくり見学できるみたい。
新四号線で一路、古河市に。
栃木県と茨城県のまさに県境。
そういえば、すぐそばの「谷中湖(渡良瀬遊水地)」の対岸には全国唯一の三県県境(栃木、群馬、埼玉)があるんだっけ。
国道四号線にも大きな看板が立っており、ナビと併用すれば比較的楽に目的地に到着しました。
広大な敷地にゆったり駐車場も完備。
遠くから見えた「煉瓦窯」も間近に見える。

内部を見学したい方は、まずは敷地内にある「野木ホフマン館」に。
交流センターの機能もあり、研修室やカフェも完備されています。

驚きは、煉瓦窯見学料は大人100円。中学生以下は無料。
受付でチケット購入し、専用出口から見学ルートに入場します。

約1時間ごとに一回、ガイドによる解説付き見学ツアーが実施されています。
要所要所に図解入りの解説ボードが設置されていますが、せっかくなのでガイドさんに案内してもらおう。
(所要時間は約30分間)

時間まで野木ホフマン館内にある展示室で事前勉強。

ドイツ人「フリードリッヒ・ホフマン」が19世紀半ばに開発した赤煉瓦焼成用の「ホフマン窯」。
連続的に赤煉瓦を焼くことが出来る、まさに大量生産という産業近代化を象徴する存在。
日本に導入され、昭和26年には全国に50基あったようですが、現存するのは4基のみ。
それも正16角形の「ホフマン式輪窯」は、この野木町にあるものが唯一。

昭和54年(1979年)に国の重要文化財に指定されました。
ここで焼かれた赤煉瓦は「立教大学池袋キャンパス本館」や「東京銀行協会ビル」などで、現在も利用されています。

時間になり、解説付き見学ツアーが開始。
ツアーに集まったのは私だけ。なんと贅沢、マンツーマンでの見学ツアーになりました。
ヘルメットを着用して、いざ出発。

関東大震災で、西窯、登窯は倒壊したものの、この東窯は昭和46年(1971年)まで現役として使われたのだそうです。

一階の焼成室は全部で16室。
内部に入って行きましょう。

温度約千度の高温で焼成したのは2室。
搬入、乾燥・余熱、焼成、冷却、、搬出と火の進行方向をコントロールすることで23日かけて一周し煉瓦を完成。

天井にある小さな穴は、燃料である粉炭の投入口。
下部には煙道が開いており、中央の煙突に繋がっています。
1室で約一万四千個、一周すると約二十二万個の煉瓦焼成が可能とのこと。

60キロの粉炭を担ぎ人力で二階に上がった階段。
足が上がりやすいよう、傾斜が出来ています。

一階の焼成室が千度の高温だというのに、柱や梁が木材というのに驚かされました。

規則的に並んだ投炭孔。
ここから粉炭を投入し、火をコントロール。地道な人の知恵と労力で巨大なホフマン窯が動いていたんですね。
〇「野木町煉瓦窯」住所:野木町野木3324-1
電話番号:0280-33-6667
定休日:月曜日、年末年始(国民の祝日開館、翌平日閉館)
営業時間:9時~17時(野木ホフマン館:9時~22時)
野木町HP、
栃ナビHP
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