星のや軽井沢のメインダイニング「嘉助」。
信州ならではの食材をふんだんに使った「山の懐石」が頂けます。
和食の基本を土台とした、リゾート地ならではの肩が張らない寛ぎの料理。
上質なおもてなしの心が伝わるサービスとの両輪が見事でした。
場所は集いの館内。
横の空間ではなく、あえて縦の空間構成。

段々畑のようになっており、高低差があるので周囲の動きが気にならない。
天井まで伸びる窓越しに、軽井沢の緑が満喫できます。

私がお邪魔した六月は、「山の懐石 初夏」というメニュー。
料理に合わせお酒をマリアージュして貰いました。
先付「春トマトの白和え」
甘味と酸味が絶妙なトマト、そこに素朴な甘味のアボカドが添えられています。

そこに合わせて・・・シャンパンからスタート。(Agrapaet File 7 CrutNV)

窓の外に視線を向けると、鴨が列をなして家路を急ぐ様子が。
時計が無い「星のや軽井沢」。刻々と変わる風景で、自然と今の時刻がわかるかのよう。

煮物椀「アマゴの一夜干し 根菜餅」
穴子ではなく、アマゴ。サクラマスとも呼ばれる川魚。風味も味わいも鮮やか。
レンコンの角切りも入った根菜餅は、食感も楽しめます。

そこに合わせたお酒は「モダン仙禽 雄町 無濾過生原酒」。栃木の酒です。

次はお造り・・・と思いきや、違う料理が運ばれてきた。

蓋を開けるとその中にはお赤飯。金粉がのり、花豆が入ってる。
「お祝いの席とお聞きしていましたので、料理長からささやかな一品です」と。
なんて嬉しい心配り。ありがたい。

お造り「季節の魚のお造り」山:佐久の鯉、海:季節の海の幸(マグロ、カレイの昆布締め)。
こんなに美味しい鯉の刺身を頂いたのは初めて。泥臭さを感じるものなのに・・・。
昆布醤油をピュレ状にしたもので頂きます。これは酒のあてにもなる。
マリアージュのお酒は「伯楽星 純米大吟醸(宮城県)」

揚げ物「活鮎と山の菜の天ぷら 蓼塩」
山の菜はウドの葉、ブロッコリー、新生姜。サクッと軽快に揚げられています。
鮎はまるで泳いでいるよう~。

マリアージュされたのは、このまま日本酒で続くかと思わせて、ワイン。
料理の邪魔をしない、ミネラル感を感じる一杯。

強肴「アスパラ 葉玉葱 オリーブオイル 塩 黄身酢」
料理人が席まで来て、アスパラ、葉玉葱を切り分けます。こういう演出素敵です。
食材の質問を料理人自らしっかり説明してくれました。


焼八寸
初夏の肴「手毬寿司、焼き一寸豆、ジュンサイ酢、杏松風、川海老素揚げ、バイ貝甘煮」
焼物は奥さんの分の「マナカツオ麹焼き」

私の焼き物は「牛サーロイン肉炭火焼」+2000円を
初夏の肴はお代わりOKという嬉しい仕組み。
マリアージュされたワインを飲みながら、川海老素揚げをお代わり。(フランスワイン、甲州ワインと続きました)

炊合せ「牛肉の山椒鍋」
私達のサービスをしてくれた女性は、二十代の方。大学院で心理学を専攻されていたとのこと。
奥さんの心理学の質問に、快く応えてくれました。
旅館の給仕と言えば、年配女性という印象でしたが・・・。星のや軽井沢のスタッフは皆お若い!!
そんな話をしたら、サッと表情を硬くし「何かご不便をおかけしましたでしょうか」と。
「若いのに素晴らしい」というニュアンスで伝えたつもりでしたが、瞬時に「不満要素の抽出」を試みた所にもアッパレ。
キチンとした会話が成立するサービスに出会え、星のや軽井沢の凄さを実感。(実は彼女だけでなく、スタッフ皆に言えること)
そんな彼女が目の前で山椒鍋を仕上げてくれました。


山椒鍋が出来る前には「野菜の炊合せ」も

この炊合せのマリアージュは「七本鎗 渡船(滋賀県)」の温燗と来た!!
牛肉、山椒、山野菜に負けない力強い日本酒。

土鍋が運ばれ・・・。
中には茗荷御飯、ジュンサイ入りの味噌汁、香の物も付いてきます。

茗荷御飯をお代わりし、先ほどの山椒鍋の出し汁でお茶漬けに。

デザートは「ルバーブのタルト、アカシアのハチミツのアイス」

抹茶で〆

サービスの女性から差し出されたものは・・・。
食事の最初に撮ってもらった写真が現像され、お土産として手渡してくれました。
まさに至れり尽くせり、最高の一夜になりました。

満足の食事のあとは、嘉助のお隣にある「ライブラリーラウンジ」で寛ぎタイム。
昼間には無かったカヴァや・・・

「白州」「鳳凰美田 柚子酒」も飲み放題。

嘉助での興奮に似た喜びをいったん沈め、初日の夜をゆっくり過ごそう。
すでに暗闇になった星のや軽井沢の庭を歩き、自室に戻りました。
○「星のや軽井沢」公式HP
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