ガストロノミー。
日本では美食学と訳され、よく耳にする言葉になりました。
19世紀、美食家でもあったサヴァランの著書「美味礼賛」以降、広く使われるようになった言葉なのだそうです。
四十歳になってから食べ歩きを始めた私には、到底語れるだけの知識も経験もない。
そんな私に、食通のMさんがホテルニューオータニにあるフレンチに案内してくれました。
予約時間より少し早く到着したので、お庭を散策することに。
ライトアップされ、クリスマスイルミネーションが施された美しい庭。

ホテル側の思惑とはまったくそぐわない、アラフィフ親父二人が仲良く歩く。
もう師走だというのに、東京の風は暖かい。

今回予約させてもらったのはホテル内にある「トゥールダルジャン」。
ご存知400年を超える歴史を持つパリの名店。その唯一の支店がここ、ホテルニューオータニに。
パリと東京が姉妹都市になった1984年にオープンしました。

東京から遥か遠きフランスの地まで運ぶ秘密の通路。
一枚の絵画が迎えてくれました。

ウェイティングバーで一休み。
ゆったりと寛げるソファーで・・・。

ドライマティーニをあける。
フッと会話が止まり、見つめ合うアラフィフの親父と親父。
静かに時間が過ぎていく・・・。(完)
○「トゥールダルジャン」住所:千代田区紀尾井町4−1 ホテル ニューオータニ 内 ザ メイン ロビィ 階
電話番号:03-3239-3111
公式HP、
ホテルニューオータニHPあっ・・・ちょっと~。
幕が閉じるのが早過ぎる!!
まだ料理の一品も紹介していないのに。

メインダイニングに通された二人。
あれ?テーブルには笑顔で私達を迎える方々が。
Mさんのご友人、東京で不動産や住宅のライターの仕事をされているとのこと。
これで形になった。フレンチを頂きながらの情報交換会のスタートです。

今回頂いたのは「ランスコース」25000円(税・サ別)
メインは幼鴨か、和牛フィレ肉から選べますが、トゥールダルジャンといえば鴨料理がスペシャルティ。全員一致です。

グラスのシャンパンで乾杯。
今回も運転手役のMさんはペリエ。いつもすみません。

「鮑とマッシュルームにのあえたオシェトラキャビア 柑橘のヴィネグレット」
甘み酸味、多彩な味わいが優しく口の中で広がります。食感の妙も楽しい~。
軽やかな一品でのスタートです。

香り高いパンもたっぷり
この日は二種類のパンが出されました。

「フォアグラポワレとフリカッセシャンピニオン 芽キャベツのラグー」
まろやかで上質な旨味のフォアグラ。重くなくクセがない・・・、女性でもすんなり頂ける。
周囲に散りばめられたシャンピニオンが、さらにフォアグラを食べやすくさせています。

「オマール海老とアルバ産白トリュフの饗宴 マロンのニョッキ添え」
トリュフの香りがたらまらない~。

温かい海老のスープが目の前で注ぎ込みます。
メリハリがある味わいになり、それぞれの食材の輪郭がハッキリ伝わって来ます。

白ワインはボトルで。
すっきり軽めの白。料理の邪魔をしないワインを選んで貰いました。

「ベキャスのコンソメスープ ジロル茸とレンズ豆のリゾット」
こちらもテーブルの上でコンソメスープを注いでくれます。

ふわっと広がるコンソメスープの美味しさ。
三日間かけて仕上げるのだそうです。体にスッと優しく入っていきます。

メイン「幼鴨と洋梨のコンポート ブルダルー風 エストラゴン香るベアルネーズソース」
生後6~8週間の鴨を使用、皮目はパリッと身はきめ細かく柔らかい。
ソースが重くなく、鴨の旨さを引き出しています。

手がけた鴨の一羽一羽に番号を付けてお出しするというのがトゥールダルジャンの流儀。
番号を記したプレートを頂きました。
私が頂いた鴨は「239992」。この記事をアップする頃には、24万番に到着している頃でしょうか。

デザートは「カネロニ仕立てのマロンとタヒチヴァニラのムース マロンアイスクリームと共に」
マロンと洋酒が軽やかに口の中で踊るムース・・・絶品です!!
お土産に買って帰りたいくらい。

落ちつきある苦みが素敵なコーヒーと共に・・・

焼き菓子を頂きながらしばらく会話を楽しませて貰いました。
「フレンチの王道、でありながら、味はもちろん盛り付けの細部に至るまで、繊細でした。ありがちなシェフの「どうだーっ!」みたいな押し付けがましさを感じることなく、優しさに満ち溢れてました」とはご一緒したKさんの感想。

入る時には真っ暗に見えた秘密の通路には、皇族、政治家やスポーツ選手、著名人のサインが飾られていました。
多くの人、そして多くの鴨に支えられて来たトゥールダルジャンの歴史が刻まれているようでした。
○「トゥールダルジャン」住所:千代田区紀尾井町4−1 ホテル ニューオータニ 内 ザ メイン ロビィ 階
電話番号:03-3239-3111
公式HP、
ホテルニューオータニHP
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2015/12/06 編集