すっかり日が短くなりました。
秋の夜長・・・。
午後5時過ぎには日が沈み、月や星が美しく輝き出す大人の時間が始まります。
今では月や星よりも街の灯りが夜を支配し、車のライトが時の短さを伝えているように感じてしまいます。
今宵は「環坂」での夜。
豊郷台と百穴の丘に囲まれたこの地には、月と星からのわずかな明かりだけが頼り。
まるで遠き場所に旅してきた気分にさせられます。
暗闇の中に一軒の明かり。
そこが「環坂」。

たどり着くまでに、一人一人にドラマが繰り広げられることでしょう。
まさかの坂はあるもので、まさかこんな場所にお店があるはずないと通り過ぎていったKさん。
「自分の居場所がわからない」と叫びながら車を走らせたNさん。

今宵はKさん、Nさんのための宴を開かせてもらいました。
食事をする場所はカウンターのみ。それも最大で8席。一夜で宴に招かれる客人は、最大で8名なんです。

私以外の四名は、環坂に来たのは初めて。
はじめは緊張した面持ちでしたが、温もりある室礼とおもてなしですぐに和やかな雰囲気に。

「蛸の柔らか煮」
蛸といえばスペイン。料理にあわせてカヴァで乾杯だったんですね。(坂寄シェフにワイン等はおまかせしました)

「栗味カボチャ(茂木町・豊口さん)のポタージュ」
あっ!カボチャなのに栗の味わいも・・・。深い秋を感じさせてくれる一品。
ロワイヤルのような濃厚なポタージュ。

「石鯛の冷燻製&穴子のそば粉揚げ 渡辺ファーム(浜松市)の野菜たちと共に」
立派な大皿にシェフ自ら、目の前で盛りつけを。
通常ならひとりで食べることはないと思うような山盛り野菜。
でも皆ぺろりと頂けちゃうのだから不思議。野菜が持つ自力を感じさせてくれました。

「甘海老と生麩の温製フラン」
お麩って今まで脇役だと思ったのに、これは主役ですよ!概念が覆された・・・とはご一緒したSさん。
甘海老の旨みを吸い込んだ生麩に驚愕された様子でした。

「福井・越前港から”的鯛”のグリエ 冬瓜のトマト煮を添えて」
皮はぱりっと、身はふっくら。
そして皆を驚かさせたのはムースリーヌソース。そのまま食べて、魚につけて、そして・・・

パン(北海道産小麦粉”春よ恋とライ麦”を使った自家製パン)につけて。
それぞれ味わいが違うように感じ、一粒で三度美味しい!!

魚料理とともに頂いた白ワイン

「特選土佐の赤牛ランプ(嶺北牛)炭火焼 山葵醤油、万願寺しし唐、塩蒸し人参」
色鮮やか、なめらかでもっちりとした食感は、まるで赤ちゃんのほっぺみたい(食べたことは無いですが・・・)

こちらにはこちらの赤ワインを

「蓮根入り炊き込みご飯」
提供する時間から逆算した炊きたてご飯。
ひとりひとり盛り加減を聞いてくれ、よそってくれます。私は少なく・・・

もうこの時点でお腹いっぱい!!
ご飯は少し残し、カレーやお茶漬けにしてくれます。
こちらも一杯で二度おいしい!!
私の分は、Kさんがぺろりと平らげてくれました。


カウンター席での最後。
「想いやり生乳(中村内村)のアイスクリームと巨峰の氷菓を乗せた洋梨(北海道産)のジュレ」
もうすぐ誕生日というTさんにロウソクとお花のプレゼント。
「想いやり生乳」という普段耳にしない牛乳について、丁寧にシェフが解説してくれました。
知ってからいただくと味わいも深くなるものですね。

ここでカウンター席での宴は終了。
お隣の部屋に移って、食後のひとときを寛がせていただきました。

時間がゆっくり流れていく・・・。
最高の秋の夜長を満喫させていただきました。
○「環坂」住所:宇都宮市長岡町160-4
電話番号:028-600-1819
定休日:月曜日、火曜日(祝日の場合は営業し、翌日振休)
☆開宴時間☆
12:00・13:30スタート(水~金)、12:00・13:40スタート(土、日祝日)、18:45スタート(水~日)、完全予約制
公式HP、
栃ナビHP
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